女性の皆様は、自分の性器についてどのくらい知っていますか?数ある臓器のなかで唯一、他人と結合するのが性器です。そして、ふたりで性器をつなげて気持ちよくなるには”パートナーに伝える”という作業が必要となってきます。どこに触れてほしいのか、または、どこには触れないでほしいのかを上手に伝えるためには、自分の性器についてよく知っていることが大前提となります。
そのために、まずは自分の性器をよく観察してみましょう。男性は性器が露出しているので、自分のものを見たことがないという人はまずいないと思いますが、問題は女性です。鏡を使って自分の性器とじっくり向きあってみてください。まずは大陰唇が見えると思いますが、それを指で開くと小陰唇や、クリトリス、尿道が見えるようになります。さらに、会陰や肛門の位置までをチェックしましよう。
「グロテスクだから見たくない」という声をよく耳にしますが、イベントで何万人という女性の性器を見た私からすると、性器は人の顔と同じで大同小異。それぞれが個性的ですが、基本構造は同じ。グロテスクなものなんてありません!自分の身体の大切な一部なのですから、自信を持ってください。
次に、快感のポイントを確認します。クリトリスの位置を正確に理解していますか?驚くことに、クリトリスの位置をちゃんと知らない男性は、案外多くいます。クリトリスを愛撫しているつもりでも恥骨をゴリゴリ押していたり、むやみに尿道ロのあたりに指を擦りつけていたり~。見当はずれのところを触られて、焦れったい思い、もしくは痛い思いをしたことがある女性も少なからずいるでしょう。
たしかに、クリトリスはわかりにくい場所にあります。医療の現場でも、手術後、尿道にカテーテル(細い管状の医療器具)を入れるときに、経験の浅い医療従事者だと、女性の尿道の入口を見つけられないということがよくあるそうです。膣のなかにカテーテルを突き刺そうとしたり、クリトリスをつつきながら「あれ?入らない」と困惑したりというシーンもあるとか。結局のところ尿道が見つからなくて、ほかの科のドクターから婦人科医が応援に呼ばれることもあるほどです。そのくらい女性器は見た目にわかりにくい構造なのですから、クリトリスの場所がわかっていない男性に対して、女性はあきれるのではなく、丁寧に教えてあげてください。
クリトリスは恥骨の下あたり、左右の小陰唇がつながったところにあります。小さな突起状ですが、ふだんはクシュクシュとした包皮につつまれ、守られています。男性の手に自分の手を添えて誘導するのもいいですが、「もっと上のほう」「プクッとふくらんでいる場所だよ」など、言葉でも説明できれば、男性の理解も早くなります。
さらにステップアップを狙う女性は、外陰部だけでなく膣のなかもチェックしましょう。もちろん目で見ることはできませんから、自分の指を使って、Gスポットを探します。
シンガポールでGスポットについて研究している専門家は、Gスポットの探し方を「仰向けに寝て2本の指を挿入し、曲げる」と紹介しています(下図参照)。指は1本でもかまわないと思いますが、リラックスした体勢で行うと、より見つけやすくなります。挿入後は少しずつ位置をずらしながら、指の腹を膣壁に押し当てていきます。「ここだ!」と思うポイントがあれば、そのまま刺激を続けてください。この場所を覚えておき、セックスのときにパートナーに上手に伝えられるようになったら上級者です。
性器を観察するということは、何か異状があったときにも役に立ちます。ふだんより赤くなっているな、発疹ができているな、腫れているな、といったことは正常な状態を知らないと判断できません。恥垢が溜まっていないかチェックもできるので、清潔な状態を保つためにも有効です。自分の身体を大切に思うなら、ときおり性器をチェックする習慣を身につけましょう。